フリーソフトウェア開発者の中には、利益を追求しないことをよしとする方々もいらっしゃると思います。GNU のようにソフトウェアは無料であるべきだと考えている人たちもいます。一方、できればフリーソフト開発を利益につなげたい人もいます。利益が開発の励みになったり、こまめに改版する意欲につながる場合があります。
前者の考えは立派ですが、後者の考えも悪くないと私は思います。私も多くのソフトウェアを作成してきましたが、市販できるほどのものではないけれども、一部の人の役には立つのではないかというソフトが結構あります。その一部をフリーソフトとして提供していますが、利益にならない「趣味」に多くの時間を割くわけにはいかず、かなりのソフトウェアが埋もれたままになっています。
また、提供したとしても説明不足だったり細かい使い勝手までは改良していなかったりします。ソフトウェアを開発するのは面白いのでタダでやる気になることがあるけれども、その説明を丁寧に書いたり、デザインを綺麗にしたり、細かい改版を重ねて使いやすくしたりするといった面倒な「仕事」はやりたくないと思う方は多いのではないでしょうか。そのために本来優れた多くのフリーソフトが少々使いにくくなっているように感じます。
フリーソフトが多少なりとも報酬に結び付けば、こうした問題が少し解決され、小さなソフトやほんの一部の人しか使わないようなソフトでも積極的に使いやすいものにして配布できるのではないか、というのが SoftAd を始めた理由です。
1 年半運用した結果の開発者やユーザーのご意見によると、SoftAd を組み込むことによるデメリットもあります。1 つはソフトウェアが起動するたびに SoftAd がインターネットにアクセスして広告をダウンロードするため、ユーザーの環境によってはファイヤウォールなどから警告される可能性があること、もう 1 つは、広告が表示されることを好まないユーザーがどうしても一定数いらっしゃることです。
しかし、民放テレビ、ラジオ、検索サイト、メール マガジンなど、広告モデルで長年運営されてきたものはたくさんありますので、やはりこのモデルにも一定の存在意義があると思います。SoftAd は、実際にはなかなか利益になっていなくて申し訳ないのですが、長い目で工夫を重ねていきたいと考えております。
先日やっと、最も利用の多いソフトウェアの開発者さん数人に最初の支払いを行うことができました。広告のクリック単価は以前より上がっているのですが、地味なテキスト広告のためかクリック数が増えておらず、何か有効な打開策を考えたいところです。
相変わらず極めて低調な状態です。登録ソフトは少しだけ増えていただけたのですが、登録広告が不足気味です。
広告を載せるソフトは「アドウェア」と呼ばれ、インターネットと通信するためスパイウェアと誤解されて「駆除」の対象になることもあるようです。ソフトウェアに広告を表示するのは、テレビや検索サイトに広告を表示するのと本質的には変わりがないと思うのですが、ソフトの場合は動きが見えない点がひかっかるのかもしれません。たとえば「フリーソフトをインストールしたらマシンにいつも広告が表示されるようになった」としたら、ほとんどの人は抵抗感を持つでしょう。SoftAd では、広告は掲載ソフト内にしか表示されず、掲載ソフトの外に何かがインストールされることもありません。
登録してくださっている方が何人かいらっしゃる限り、当面、このサービスを続けていこうと考えています。
最近はインターネットと通信するソフトウェアが増えてきたため、スパイウェアと誤解されることは少なくなったのではないかと思います。
なお、登録いただいているソフトウェアの中にはホームページへのリンクが切れてしまっているものがあったため、そのような URL は削除させていただきました。
by 副島
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